あちこちの国で、誕生日を迎えてきました。
・2019年 プシュカル🇮🇳 大雨の夜だった。
・2020年 バンコク🇹🇭 屋台でおめでとうを言われた。
・2021年 バンコク🇹🇭 変わらずそこに屋台はあった。
・2022年 チェンマイ🇹🇭 ちょっと贅沢してワインを飲んだ。
・2023年 プシュカル🇮🇳 ラクダが静かに私を見ていた。
・2024年 ジャイプール🇮🇳 道端でオトコが寝ていた。
・2025年 ネパール🇳🇵 雑貨屋で小さな菓子を買った。
・2026年 ジャパン🇯🇵 ←イマココ
8年間、誕生日を海外で過ごしてきました。
誰も誕生日だということを知らない、異国の地。
小さなお祝いをしたり、ただ何となく過ぎていったり。
そうして歳を重ねてきました。
異国での誕生日という感覚

海外で誕生日を迎えるのは、特別なようで実はそうでもない。
現地の人はもちろん知らないし、日本みたいな豪華なケーキもない。
ただその日がやってきて、また過ぎていく。
それでも毎年、何かしら小さな出来事があるものです。
2019年のプシュカル
インドの西の砂漠の街です。
その夜は大雨で、ご飯を食べた帰りに膝まで水に浸かりホテルへ帰りました。
中々苦労しましたが、とても記憶に刻まれています。
2020年のバンコク
通い慣れた屋台のおばちゃんが「おめでとう」と言ってくれた。
なぜ誕生日だと知っていたのか、今でも謎のままです。
なにかの時に話したのを、覚えていてくれてのかも知れません。
2021年再びバンコク
屋台のおばちゃんは、同じ場所で同じ笑顔で私を迎えてくれました。
今年も誕生日だね、おめでとう。
そう言ってビールを出してくれた。
2022年のチェンマイ
過去の写真を見返すと、この日はタイ料理屋で少しだけ贅沢な夜。
ボトルワインの赤が写真に残っていました。
いつもは安い瓶ビールなので、ささやかな自分へのご褒美だったのでしょう。
2023年のプシュカル
インドの西の端、ジャイサルメールから、プシュカルに入っていたようです。
青い空の下でラクダがじっと私を見ていた。
誕生日を祝っているのか、ただ暇なのか、どちらともとれる目でした。
2024年のジャイプール
風の宮殿の前を歩いていたら、道端でオトコが寝ていた。
観光地の真ん前で堂々と昼寝をしている姿が、妙に印象に残っています。
2025年のネパール
小さな雑貨屋で小さな菓子とウィスキーの小瓶を買った。
ホテルの部屋に持ち帰りちびりちびりとやる。
それだけがその日のお祝いでした。
8年ぶりに日本で迎えた誕生日

そして今年、2026年。
久しぶりに日本で誕生日を迎えました。
朝からワールドカップを観ていました。
テレビには見慣れない黄色いユニフォームが映っていた。
大西洋の小さな島の、無名の選手。
大きな国を相手に、ただ走り続けていました。
手に持ったビールを飲むのも忘れて、画面に見入った。
「頑張れ!」
誕生日の第一声は、誰に向けたのかわからない言葉でした。
マルちゃん正麺が染みた
昼になって、マルちゃん正麺の味噌味を作りました。
キャベツを刻んで一緒に煮込み、ゆで卵を乗せただけです。
インドではカレー、タイでは屋台飯、ネパールではダルバート。
8年間、誕生日に日本のものを食べたことがなかった。
一口すすったら、ほっとした。
こんなにうまいものだったのかと、少し驚きました。
袋麺一つで、これほど落ち着いた気持ちになれるとは思っていなかった。
異国の料理も好きですが、日本のものには体に染みる何かがある。
60代になって、そういうものがより深く刺さるようになった気がします。
静かな誕生日でよかった
ワールドカップを観て、マルちゃん正麺の味噌味を食べて、静かに過ごした一日でした。
悪くなかった。むしろ、これでよかったのだと思います。
派手な祝い方でも、誰かと賑やかに過ごすでもなく、ただ自分のペースで過ごす誕生日。
60代になって、こういう日の過ごし方が一番しっくりくるようになった。
一人暮らしだから寂しいのかと聞かれれば、そうでもない。
自分のために使える時間が、誕生日に限らず毎日あるというのは、悪くない話です。
後何回、この日を迎えられるのか

後何回、この日を迎えられるのか誰にもわかりません。
来年のこの日は、どこにいるのか私も知らない。
ただ今年は、日本にいました。
それだけで、十分な誕生日だった。
来年もまた、どこかで静かに誕生日を迎えられれば、それだけでいいのです。
60代で一人暮らしをしていると、たまに「大変じゃないですか」と聞かれることがあります。 正直に言うと、大変ではありません。 むしろ、悪くない。 世間が思う「60代男性の一人暮らし」のイメージと、実際に生活してみて感じるこ[…]