定年後の副業について調べると、景気のいい数字がずらりと並びます。
月10万、月30万、誰でも稼げる。
そういう見出しを、私も何度も見てきました。
では実際はどうなのか。
60歳から副業を始めて5ヶ月。今の収入は月2〜3万円です。
正直、たいした額ではありません。
それでも、この数字は本物です。
この記事では、私が実際に手をつけた5つの副業と、それぞれいくらになったのかを包み隠さず書きます。
うまくいったものも、まったく売れなかったものもあります。
これから始めようという方に、少しでも現実の目安になれば嬉しいです。
派手な成功談は、ここにはありません。
その代わり、嘘もありません。
5つ試して、いくらになったか
順番に紹介します。
金額はすべて実際の数字で、盛っていません。
ネット販売|不用品を売る。始めるのが一番早い
最初に手をつけたのが、メルカリやヤフオクでの不用品販売でした。
理由は単純で、家の中を見渡せば売れるものがあったからです。
新しく仕入れる必要もなく、資格もいりません。
やってみて感じたのは、思ったより手軽だということ。
最初は出品や梱包が面倒に思えましたが、発送の段取りさえ覚えてしまえば流れ作業になります。
コンビニから送れるサービスを使えば、宛名書きもいりません。
ただし、これは継続的な収入にはなりにくい。
売るものがなくなれば、そこで終わりだからです。
副業というより、部屋の片づけをしながら小遣いが入る、という感覚に近いでしょう。
それでも、最初の一歩としては悪くありません。
ネットで物を売り買いする流れを体で覚えられます。
写真の撮り方、説明文の書き方、値段のつけ方。
どれも、あとで別の副業を始めるときに効いてきました。
何より、初めて自分の出品が売れたときの手応えは忘れられません。
たった数百円でしたが、自分の手で稼いだという実感がありました。
副業を続けられるかどうかは、この最初の小さな成功にかかっている気がします。
Webライター|5ヶ月目で月2〜3万
今、私の収入の柱になっているのがこれです。
クラウドワークスやランサーズに登録し、コツコツ応募を続けてきました。
最初の数ヶ月は、応募しても返事すら来ない日が続きます。
100件応募して、通ったのはほんの数件でした。
落ち込む日もありましたが、続けるうちに継続案件が取れるようになります。
5ヶ月目の今で、月2〜3万円。
月10万には遠く及びません。
それでも、年金にこの額が足されるかどうかは、暮らしの手触りをずいぶん変えてくれます。
Webライターの良いところは、体力をほとんど使わないこと。
自宅で、自分のペースで進められます。
60代にとって、これは大きな利点でしょう。
一方で、始めてすぐに稼げる仕事ではありません。
実績がゼロのうちは、単価の低い案件から積み上げるしかない。
そこを我慢できるかどうかが分かれ目になります。
応募を続けた実際の経過は、別の記事に詳しく書きました。
ブログ運営|収益はほぼゼロ
このブログのことです。
正直に書きます。収益は、ほぼゼロ。
記事を書き、公開し、検索から人が来るのを待つ。
その繰り返しですが、始めて数ヶ月では、まず結果は出ません。
ブログで収益が出るまでには、半年から1年かかると言われます。
私自身、その通りだと実感しています。
では無駄なのかというと、そうは思いません。
書き続けることで文章の練習になりますし、Webライターの仕事にも活きています。
実際、案件に応募するとき「自分のブログがある」と伝えられるのは強みでした。
すぐに現金にはならない。
けれど、他の副業を支える土台にはなっています。
もう一つ、思わぬ効き目もありました。
毎日書くことが、生活のリズムを作ってくれたのです。
仕事を離れると、一日の予定は自分で決めるしかありません。
何もしなければ、時間だけがだらだらと過ぎていきます。
朝起きて記事を書く。それだけで、一日に芯が通ります。
収益がゼロでも、続ける理由はここにありました。
ココナラ|出品したが、1件も売れなかった
これは正直に書くしかありません。
ココナラに、ライタースキルを出品しました。
結果は0円。1件も売れませんでした。
理由ははっきりしています。
実績がなかったからです。
ココナラは、購入者が出品者の評価を見て選ぶ仕組みになっています。
評価がゼロの新人と、実績が並んだベテラン。
同じ金額なら、どちらを選ぶかは考えるまでもないでしょう。
つまり、始めたばかりの人間がいきなり売れる場所ではない。
これは私の実感です。
ただし、可能性がないとは思っていません。
Webライターとしての実績が増えれば、状況は変わるはずです。
出品を取り下げる気もありません。
置いておくだけなら費用はかからないからです。
今は種を蒔いた段階だと考えています。
AI活用|構成までは任せて、本文は自分で書く
最近は「AIを使えば副業で稼げる」という話をよく見かけます。
私も実際にAIを使っています。
ただし、使い方には線を引いています。
記事の構成を考えるとき、あるいは下調べをするとき。
そこまではAIに手伝ってもらいます。
調べ物の時間が短くなり、頭の整理も早くなりました。
けれど、本文は自分で書きます。
下書きすらAIには任せません。
一度試したことはありますが、直す手間のほうが大きくなりました。
出てきた文章は整っているのに、自分の言葉ではない。
それを自分の文体に直していくと、最初から書いたほうが早いのです。
理由はもう一つあります。
それは次の章に書きますが、この線引きが一番大事な部分でした。
AIみたいな文章は選ばれなかった
ここが、この記事で一番伝えたいところです。
担当者から聞いた不採用の理由
今、継続でいただいている案件があります。
その担当の方から、採用の経緯を聞く機会がありました。
言われたのは、こういうことでした。
他の応募者は全部AIみたいな文章だったから、不採用にした。
正直、驚きました。
私は自分の文章を、とりたてて上手いとは思っていません。
それでも選ばれたのは、文章の質そのものより「人が書いた気配」があったからでしょう。
発注する側は、思っている以上によく見ています。
AIをどこまで使うか
この一言があってから、私は使い方をはっきり決めました。
構成と下調べは任せる。本文は自分で書く。
AIが出す文章は、きれいで整っています。
けれど、どこかで読んだような手触りが残る。
そこに自分の経験や失敗を書き込まなければ、他の応募者と同じ束に埋もれてしまいます。
「AIで簡単に稼げる」という言葉を見かけたら、一度立ち止まってほしい。
簡単にできることは、他の人にも簡単にできる。
そこに差は生まれません。
やってみて分かった、副業選びの5つの基準
5つ試して見えてきた、選ぶときの物差しを挙げます。
①無理なく続けられるか
これが最優先だと考えています。
60代になると、若い頃のような無理は利きません。
夜遅くまで作業をすれば、翌日の一日がまるごと潰れます。
どんなに条件が良く見えても、体に合わない仕事は続かない。
続かなければ、収入にもなりません。
一日1時間でいい。その代わり毎日できるか。
そういう基準で選ぶほうが、結局は遠くまで行けます。
②初期費用が少ないか
お金をかけずに始められるかどうか。
ここも外せない基準でしょう。
定年後の資金には限りがあります。
稼げるかどうか分からないものに、まとまった金額を投じるのは危険です。
私が試した5つのうち、大きな出費が必要だったものはありません。
ブログのサーバー代くらいで、あとはほぼゼロ。
それでも月2〜3万にはなりました。
高い教材や講座を買わなければ始められない仕事は、いったん疑ってかかるべきです。
③これまでの経験を活かせるか
年齢を重ねてきたことは、不利ばかりではありません。
私の場合、長く働いてきた経験や、28年続けてきた旅の記憶が、そのまま書く材料になっています。
若い人には書けないことがある。
それは確かな武器です。
逆に、まったく経験のない分野にゼロから飛び込むのは、時間がかかります。
若い人と同じ土俵で競うことにもなるでしょう。
自分がこれまで何をしてきたか。
仕事のことだけではありません。
趣味も、家族との時間も、病気をした経験さえ材料になります。
そこを棚卸ししてから選ぶと、遠回りがぐっと減るはずです。
④時間と場所を自分で決められるか
通勤があるかないかは、思っている以上に大きな差です。
決まった時間に決まった場所へ行く働き方は、体力を削ります。
その点、在宅でできる仕事なら、体調に合わせて調整できる。
通院の予定が入っても、前後で時間をずらせば済みます。
私がWebライターを続けられているのも、これが理由の一つでしょう。
朝が早い日もあれば、夜に書く日もある。
体調がすぐれない日は、思い切って休みます。
勤めていた頃なら、そうはいきませんでした。
自分で決められる自由は、この年齢では思った以上の価値があります。
逆に言えば、自由だからこそ自分で管理する力も要ります。
誰も見ていないので、やらなければそのまま何も進みません。
そこだけは覚悟しておいたほうがいいでしょう。
⑤すぐ稼げなくても、伸びる余地があるか
最後は、将来の伸びしろです。
不用品販売は手軽ですが、売るものがなくなれば終わります。
一方、Webライターやブログは、続けるほど実績と信用が積み上がる。
今月と来月で、単価が変わる可能性があります。
だから、目先の金額だけで選ばないほうがいい。
半年後、1年後にどうなっているか。
そこまで見て決めると、選ぶものが変わってきます。
「簡単に稼げる」に気をつける
副業を探していると、必ず目に入る誘い文句があります。
スマホだけで、誰でも、すぐに。
そういう言葉ほど、慎重に見たほうがいい。
シニア世代を狙った悪質な勧誘があるのも事実です。
私自身は幸い被害に遭っていませんが、危うい話を見かけたことは何度もあります。
気をつけたい点を挙げます。
初期費用を求められたら疑う
仕事を始める前に、登録料や教材費、保証金を求められる。
これは危険な合図です。
まっとうな仕事は、働いた対価としてお金が入ってきます。
働く前に払う仕組みになっているなら、一度立ち止まりましょう。
数字を保証する言葉は信じない
誰でも月30万、確実に稼げる。
こうした表現を見かけたら、まず疑ってかかるべきです。
私は5ヶ月やって月2〜3万でした。
それが、未経験から始めた人間の現実に近い数字だと思います。
自分に合わないものは続かない
評判がいいからという理由だけで選ぶと、たいてい続きません。
人と話すのが苦手なのに電話の仕事を選んだり、文章が嫌いなのにライターを選んだり。
苦痛を我慢しながらやる副業は、収入になる前に終わります。
自分の性格に合うかどうか。
そこを最後の物差しにしてください。
それでも続けている理由
月2〜3万という数字を、私はこう受け止めています。
月2〜3万をどう受け止めているか
正直に言えば、始める前はもっと稼げると思っていました。
月10万という目標も掲げました。
今の数字とは、まだ距離があります。
それでも落胆はしていません。
5ヶ月前はゼロだった。
ゼロが2〜3万になったという事実のほうが、私には大きく感じられます。
年金に月2〜3万が足される。
外食を一度増やせるし、旅の資金にも回せます。
暮らしの余白が、確かに広がりました。
年齢は不利ばかりではない
60代から新しいことを始めるのは、遅いと言われます。
私自身、始める前はそう思っていました。
けれど実際にやってみると、年齢が武器になる場面がありました。
経験の量です。
働いてきた年数、旅をしてきた時間、失敗の記憶。
それらは、若い人が持っていないものです。
書く仕事では、それがそのまま材料になります。
稼げますという言葉を鵜呑みにする必要はありません。
同時に、もう遅いと諦める必要もない。
小さくても、続けられるものを一つ見つける。
定年後の副業は、そこから始まるのだと思います。